筆者の話です。
東京旅行中、憧れの「国立競技場」 を訪れたいと話したところ、友人がタクシーを提案してくれました。
運転手さんも親切で、移動が思いがけない観光に──。
やさしさに包まれた東京の思い出です。

憧れの「聖地巡礼」

東京旅行をしたときのことです。
私は好きなアイドルグループがいて、彼らがライブをした「国立競技場」 はずっと憧れの場所。コロナ禍で無観客ライブだったこともあり、東京に行くたびに「外からでいいので、会場を見に行きたい」 と思っていました。

今回も東京に住む友人がホテルまで来てくれて、食事中に「やっぱり見たいなあ」 と口にすると、友人は「私の通勤路にあるから、バスからも見えるよ」 と教えてくれました。
ただ、私は膝が悪く、駅まで歩くのも不安でためらってしまったのです。

友人のひと言が背中を押す

すると友人が「じゃあ、タクシーで行こうよ!」と提案。
「みんなで割ればそんなに高くないし、せっかくだから行こう!」と後押ししてくれました。
東京は土地勘がないので心細かったのですが、その言葉に後押しされ、ホテルからタクシーで向かうことに。

迎えてくれたのは、年配でやさしそうな運転手さん。
私たちの会話から観光客だと察したのか「あちらが迎賓館ですよ」「ここは〇〇門で……」 と名所をガイドのように紹介してくれました。
「要人が来るときはこの辺の警備がすごいんですよ」 なんて裏話まで聞けて、まるで観光タクシーのよう。

観光タクシーに早変わり

車内では、ずっと夢見ていた「国立競技場」 が近づくにつれ、気持ちが高まります。
友人も「せっかくだから名所をたくさん見せよう!」 と「〇〇通りを通ってください」 と運転手さんにリクエストしてくれました。

目的地に到着すると「この辺にいるので、ゆっくり見てきてくださいね」 と言ってくれ、国立競技場をバックに友人との集合写真も撮ってくれたのです。

移動が旅の思い出に

国立競技場の外観をしっかり眺めたあとは、帰りも別ルートでドライブ。
新宿のにぎやかな街並みを車窓から眺め、思いがけず予定外の景色も楽しむことができました。

最初は迷っていたのに、親切な友人と運転手さんのおかげで、移動時間そのものが忘れられない思い出に。
やさしさに包まれた、特別な東京観光となりました。

こんなに親切に対応してくれるタクシーがあるなら、次はどこにタクシー観光しようかと友人と話しています。
あの日の運転手さんには、今も感謝の気持ちでいっぱいです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。