筆者の話です。
通院に付き添った帰り道「チョコレートケーキが食べたい」と言い出した母。
困っていた私に、運転手さんが思わぬ提案をしてくれて──

救世主の一声

病院は施設から車で50分ほどの隣市にあります。
私自身に土地勘はなく、途方に暮れていたそのとき、運転手さんが
「少し回り道になりますが、有名なケーキ屋さんがありますよ」
と声をかけてくれました。

「あ、もしかして前に見たことがあるかも!」
とすぐお願いし、そちらに向かってもらいました。

生まれた『お気に入り』

店のショーケースに並んだケーキを見て、母はすぐに笑顔に。
無事にチョコレートケーキを購入でき、その日は母も上機嫌でした。

それだけではありません。
あの日のケーキがよほど気に入ったようで、以降、外出するたびに
「あのお店に寄ろう」
と言うように。

あのとき別の道を選んでくれていなければ、母の “お気に入り” は生まれていなかったでしょう。
今でもあの運転手さんのさりげない心づかいと土地勘に、心から感謝しています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。