妊娠を報告したら
再会して半年が過ぎた頃、A子は第二子を授かります。レジャーで差し支えがあるケースも考えて、安定期に入る前でしたが、A子はC花にそのことを伝えました。
するとC花は、無表情で「えーおめでとう」という言葉とともに、こう続けたのです。
「今、実は妻子ある人と付き合ってるの。もし彼がいなかったら、私、A子の妊娠におめでとうって言えなかったかもしれない」
それを聞いて、A子は激しく動揺しました。C花の言葉には、どこか寂しさが滲んでいるようにも感じられました。
交流の厳しさを実感
A子はC花の状況をそのとき初めて知りました。C花に彼氏ができたことは喜ばしかったのですが、その相手が妻子ある人だと聞き、A子は複雑な思いに駆られました。親しい友人として、C花の幸せを願う一方で、C花が不倫関係にあることに戸惑いを覚えたのです。
C花がおめでとうと言ってくれたことには感謝しつつも、置かれた立場や状況が違うために、これ以上の交流はお互いに傷つけ合う可能性があるかもしれないと感じたA子は、少しずつ距離を置くことに。
立場が違っても仲良くできることもありますが、大人になってからの女の友情は、ときに難しいと考えさせられました。
今では、A子も近所で頼り合える友達ができて、楽しく過ごしているようです。
【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。