ところが彼の浮気発覚で、早々に行き場をなくしてしまいます。
そのとき、胸に刺さった父の言葉とは?
親の反対を押し切って同棲
高校を卒業したばかりの頃、私は親に反対されながらも、当時の彼と同棲を始めました。
「定職に就いてからにしなさい」と何度も言われたのに、「結婚するつもりだし、彼には経済力もあるし」と、若さゆえの勢いと自信で押し切ってしまったのです。
これから夢のような生活が始まる――はずでした。
彼の浮気が発覚し……
最初のうちは、自由な二人暮らしに浮かれていました。
働かずに彼のお金で生活することに、どこか優越感さえ感じていたと思います。
ところが、そんな生活は長くは続きませんでした。
彼の浮気が発覚し、私は家を出ることに。
それからは友人の家を転々としながらの生活。お金もなく、心もどんどんすり減っていきました。
でも、大見栄を切って実家を出た手前、「戻る」とは言えなかったのです。
父からの言葉
そんなある日、突然父から電話がかかってきました。
何かを察していたのでしょうか。
「元気ないな。もし困っているなら、戻ってきなさい」
その一言に、胸の中に押し込んでいたものがあふれてきて、思わず泣いてしまいました。
父のおかげで素直になることができ、私は実家に戻ることにしました。
「ただいま」
少し気まずさを感じながら帰宅すると、父にこう言われました。
「意地を張って最悪な状況に陥るより、戻ってきてよかったよ。誰かに頼らないと生活できない環境に身を置くな。家を出るのは、自立してからだ」
その言葉が、心に深く深く染みました。
あの失敗を糧に
その後私は、看護の道に進みました。
資格を取り、自立したうえで結婚。
仕事を続けながら、円満な夫婦生活を送っています。
もちろん結婚生活にも色々なことはありますが、手に職を持っているという自信が、私に心の余裕を与えてくれます。
「自分一人でも生きていける」という思いがあるからこそ、夫とは思ったことを何でも言い合える気がします。
若い頃の失敗があったからこそ、そして何より、親があのとき手を差し伸べてくれたからこそ、今の自分があると、強く感じています。
【体験者:30代女性・看護師、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。