筆者が学生の頃の運動会や体育祭は秋頃でしたが、今時は春頃に行う所も多いそうですね。
今回は、筆者の友人A子さんが感動したお話をご紹介します。

体育祭のメインイベントはダンス!

中学生の息子がいるA子さんのお話です。
明るく友達の多い息子は、皆で何かを盛り上げたりすることが大好きでした。

そんな息子が一番楽しみにしているのは、やはり体育祭。
息子の中学校で、体育祭の一番の目玉は「クラス対抗ダンス」で、毎年それを見に来る観客も多いようでした。

ダンス経験のある息子は団長に抜擢され、本当に喜んでいました。
そして毎日夜遅くまで、友人達と集まっては練習を頑張っていたのですが……。

まさかの怪我で、体育祭は参加できそうにない

運動会一週間前、息子は学校でふざけて遊んでいた時に、階段から落ちてしまったのです。
結果は右足を骨折。
運動会には到底参加できそうにありません。

ギプスで松葉杖の息子は痛々しく、本人も体育祭に参加出来ないと悔し涙を流していました。

「当日休んでもいいよ?」

とA子さんは話しましたが、

「楽しみにしてたから絶対行く。おかんも楽しみにしといて!」

と、怪我した翌日にはなにやら嬉しそうな息子。
息子なりに吹っ切れたのかと思い、息子が参加しない運動会へ行くことになりました。

ちょっと寂しいけど、仕方ないよね

当日は先生達の席の横に、息子の為の席が用意されていました。
学生達の席は椅子が無くブルーシートだけだったので、「椅子のほうが楽だろう」という学校側の配慮だったようです。

一人ぽつんと椅子に座る息子を見て、胸が締め付けられましたが、時々友人達のシートへ行き来して、息子なりに楽しんでいたようでした。

そしてメインのダンスが始まりました。
ふと息子の方に目をやると、先生達の席の横に座っていたはずの息子の姿が見当たりません。

前を見ると、驚きの光景が……!

嘘でしょ!? キラキラ輝く息子に、思わず涙。皆もありがとう(泣)

なんと車いすに乗った息子が、ダンスのセンターにいるではありませんか!
そして息子は座ったまま器用に車いすを動かして移動したり、手の振り付けだけをしたりと、楽しそうに踊っているのです。
ダンスのフォーメーションも、息子に合わせてくれたであろう箇所もあり、そんな姿に思わず涙が溢れました。

実は息子が怪我をした時、クラスの一人が「座ったまま踊ったらええやん」と言ったのがキッカケだったようです。
息子が車いすで踊るということに、クラスメイトも担任の先生も大賛成!
当日までの残り日数が少なかったので、大移動するタイミングや諸々だけを息子に合わせて変えて、息子は無事参加することが出来たのでした。

「リレーも車いすで参加していい!? って先生に聞いたけど、それはアカンかった」

と笑う息子に、A子さんも笑顔が溢れました。
いい仲間に恵まれて本当に良かったと、一生忘れられない体育祭となったのでした。

まとめ

本当に素敵な仲間達に囲まれて、息子さんも幸せですね。
クラスメイト達も忘れられない体育祭になったに違いありませんし、思い出も経験も一生の財産となることでしょう。

【体験者:40代・パート、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。