子どもにとって学生時代の思い出の筆頭となる修学旅行。筆者の友人・M香の息子は修学旅行で『ある物』を全て落としてしまったそうです。それでも「楽しかった!」と笑顔で帰ってきたM香の息子。一体何があったのでしょうか?

修学旅行

小学生の息子は修学旅行をとても楽しみにしていました。
研究テーマを決め、長い時間をかけて調べ物をし、準備は万端!
初日のお弁当の中身まで指定し、「行ってきます!」と張り切って出かけていったのですが……。

お弁当を食べるときのこと。
「使い捨ての容器で」という学校の指定があったため、私はいつものお弁当箱とは違うパックにおかずとご飯を別々に入れていました。
扱いなれない容器だったせいか、息子はおかずのパックを開けようとしたときに、落として全部ひっくり返してしまったのです。

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残されたのはご飯のみ。
突然のことにパニックになった息子は、泣いてしまったとか。

すると、普段は喧嘩ばかりしている同じクラスの男の子が「何やってんだよぉ~!」と言いながら、自分のお弁当のおかずを息子のご飯の上にのせてくれたそうです。
それを見ていた周囲の友達も「1個だけね ♪」「おっちょこちょいなんだから!」などと言いながら、自分のおかずを1つずつ息子にくれたので、ご飯の上にはいろいろなおかずが!
これを見ていた先生からは、息子は泣き笑い状態だったと聞きました。

楽しかった!

息子は家に帰って来たときに、この話を私に報告。
「大変だったね~。」と声をかけた私に「でも楽しかった! みんなともっと仲良くなれたかも!」とニコニコ笑顔。
私は一回り大きくなったような息子を見て嬉しかったし、クラスのお友達の機転にとても感謝しました。

後日、先生と個人面談で話をしたときには「H君(息子)のピンチをみんなで助け合う姿を見て、何だか感動しちゃいました!」と言われました。
確かにハプニングは息子にとってショックだったかもしれませんが、みんなの優しさに気付けたことはとても大きかったのではないでしょうか。

息子にとって今では笑い話。
でもきっと忘れられない修学旅行になったはずです。

【体験者:30代女性・パート、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。