子どもがいる家庭では、お下がりや情報共有など、ちょっとした支え合いが日常の一部になっていますよね。でも、その“当たり前”が、思わぬモヤモヤや人間関係のズレを生むこともあるんです。今回は、筆者の知人Aさんが体験した、お下がりをめぐるママ友とのすれ違いについてご紹介します。
気軽な「お下がりお願い」がきっかけで……
「子どもの服って、すぐサイズアウトするよね」そんな会話、ママ友の間ではよくあること。Aさんも同じで、ある日、近所に住むママ友Bさんから「お下がり、もしあったら欲しいな」と声をかけられました。
ちょうどサイズ90の服を整理していたところだったので、「誰かに使ってもらえるなら嬉しい」と思い、何着かお渡ししたそうです。Bさんも「ありがとう〜! 助かる!」と満面の笑み。そんなやりとりが何度か続き、Aさんも好意で応えていました。
「今度は100サイズある?」に感じた違和感
ところが、ある日Bさんが「今度は100サイズ、あるかな?」と聞いてきたとき、Aさんはちょっと困ってしまいました。というのも、100サイズは今まさにAさんの子どもが着ている服だったからです。
「ごめんね、まだ着てるから今は渡せないの」と丁寧に伝えたところ、Bさんの表情は明らかに曇っていたと言います。以降、Bさんからの連絡はぱったり減り、会ってもどこかよそよそしい態度に……。
広がる違和感とママ友の距離感
その後、別のママ友から驚きの情報が。
「Bさん、あちこちで“お下がりちょうだい”って声かけてるらしいよ。しかも、もらって当たり前みたいな感じで……」
どうやらAさんだけでなく、他のママ友たちにも同じようなことをしていたようです。そして徐々に、「ちょっと図々しいかも」という空気が広がり、Bさんはグループの中で孤立気味に。
Aさんも最初は「それはちょっとかわいそうかも」と思っていたそうですが、「やっぱりな」という気持ちも否めなかったと言います。
「親しき中にも礼儀あり」はママ友にも当てはまる
Aさんが最初に服を譲ったのは、純粋な善意から。悪気はないのかもしれませんが、もらうことが“当然”のような態度を取られると、どうしても心がざわついてしまうんですよね。
この出来事から、Aさんは「親しき中にも礼儀あり」の大切さを再認識したと話してくれました。ママ友との関係こそ、感謝や思いやりのある距離感が求められるのかもしれません。
これからは「気持ちよく譲れる相手」を大切に
今では、Aさんは自分と価値観が合うママ友たちと、無理のないペースで付き合いを楽しんでいます。「ありがとう」と心から返してくれる相手との関係は、やっぱり気持ちがいいもの。
「次に“お下がりどうしようかな?”って思ったときは、その人に気持ちよく渡せるかどうか、ちゃんと考えたいですね」Aさんのその言葉が、とても印象的でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:北レン
経理事務・百貨店販売を経て、現在はWEBライターとして活動中。家事や育児と両立できる働き方を模索する中でライターの道へ。自身の体験を活かしながらリアルで共感を呼ぶ記事を多数執筆。人間関係・子育て・日常の“あるある”を中心に、女性に寄り添ったコンテンツを発信している。