「お父さん、お母さんがいないときはけっこう喋るよ」
「お母さんがいるときは、お母さんと僕達の話を聞いているのが幸せなんだって」
子供達の口から出てくるのは、Aさんが知らない夫の一面でした。
愛ゆえの沈黙
いつも無口で何を考えているかわからないと思っていた夫。しかし、夫の口数が少なかったのは、妻や子供の会話を楽しむため。つまり愛しているからこその沈黙だったのです。
そのことがわかったAさんは、とても幸せな気持ちになりました。
「私がいても喋ってほしいな」という気持ちも少しありましたが、妻と子の会話を聞いているのが夫の幸せだというならもっと聞かせてあげようと思ったのです。
今日も妻のおしゃべりは絶好調
それからAさんのおしゃべりは、ますます止まらず絶好調に。無口な夫もAさんのおしゃべりを楽しんでくれているとわかったのだから、もう誰もAさんのおしゃべりを止めることはできません。
相変わらず家族の会話には加わってこない夫ですが、よく見れば会話を聞きながら口元はほころんでいます。
「気持ちは口に出さなきゃわからない」とよく言いますが、口に出してもいない感情を勝手にマイナス方向に想像するのもやめようとAさんは思ったそうです。
無口だから無関心と決めつけず、家族と過ごしてくれているという夫の行動に目を向ければよかった。そうすれば、子供達の話を聞かなくても寂しい思いを抱えることはなかったのではないかと考えています。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。