長年支えてきた妻・A子さんに対しては、感謝の言葉もないそうです。
熟年離婚を真剣に考え始めた、妻の心の葛藤とは――。
「100万円って、なんのこと?」
最近、夫が定年を迎えました。
今まで大変なこともたくさんあったけれど、これからは夫婦二人、穏やかな日々を過ごすのだ――。
そう思っていた矢先です。
姑からかかってきた電話に、私は愕然としてしまいました。
「本当にありがとうね、100万円も……!」
「え? 100万円? なんのことですか?」
理解できず、ポカンとする私に気づくと、「あらやだ、あの子ったらA子さんに言ってなかったのね」と、姑は気まずそうに言葉を詰まらせました。
退職金を無断で――!
なんと、夫は退職金から、姑に100万円もの大金を渡していたのです。
問い詰めると、夫は悪びれもせずに言いました。
「あぁ、渡したけど? 俺が汗水たらして働いた金なんだから、いいだろう。親に感謝の気持ちを示したかったんだよ」
あまりの横暴さに、言葉が出ませんでした。
これまで、私が夫を支えてきた日々はなんだったのでしょうか?
贅沢もせず、家族のために働き、しっかり貯金もしてきました。もちろん夫には感謝していますが、退職金は全て俺のもの、という彼の考えには賛同できません。
これは、私たちの大切な老後資金のはずです。
それなのに、夫は私に相談もせず、大切なお金を無断で義母に渡していたのです。
さらに驚きの事実が発覚
さらに驚くべきことに、夫が姑に大金を援助したのは、今回だけではなかったことが明らかになりました。
過去にも数十万円、何度か仕送りをしていたとのこと。
私には何も言わずにです。
一方で私は、長年の間、夫からろくなプレゼントをもらった覚えがありません。
感謝の言葉を言われたことさえ、あったでしょうか。
夫を労いたくて、ささやかな退職祝いを準備していた自分が、バカらしく思えました。
その後
今私は、本気で熟年離婚を考えています。
これまでも夫のことで、たくさん我慢をしてきましたが、ついに限界を感じました。
この歳で離婚をするなんてどうするんだと言われそうですが、私たちの関係は完全に終わったと感じています。
【体験者:60代女性・専業主婦、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。