その中身と理由に、母はほっこり。
小さな気遣いに心がじんわり温まる、素敵で可愛らしいエピソードです。
息子の、母の日サプライズ計画
「ママ、今年はサプライズがあるからね!」
母の日の数日前、小学6年生の息子は張り切っていました。
いつも手作りの工作や、手紙をくれる優しい息子ですが、この年は何か特別なことを企んでいる様子。
きっと母の日のためなのでしょう、最近はお小遣いを使いすぎないようにして、貯めているようでした。
お金なんて使わなくていいのに、と思いつつも、得意気に「絶対喜ぶと思うよ!」と言う息子が愛しくて、私も母の日を心待ちにしていました。
えっ、これがプレゼント?
迎えた母の日。
「お母さん、いつもありがとう!」
朝、息子が照れくさそうに差し出したのは、なんと茶封筒。
「え? 封筒?」
「うん、今年は特別なサプライズがあるって言ったでしょ」
息子に促されて、開けてみると――。
「女心は難しいから」
「え!?」
驚いたことに、その封筒の中には、ピシッとまっすぐな千円札が一枚入っていました。
息子は、サプライズ成功! とばかりに笑うと、こう言いました。
「いろいろ考えたけど、ママが本当に欲しいものを自分で選べたほうが、嬉しいかなって思って。お金なら、好きなものが買えるでしょ」
なんという気遣いでしょう(笑)
そういえば少し前、夫からもらったプレゼントがどうにも好みではなくて、つい表情に出てしまったことがありました。
そのために、ちょっとした夫婦喧嘩になってしまったのですが、まさか息子はそれを見ていたのでしょうか。
そんなことを考えていると、「女心は難しいって、パパが言ってたから……」と、息子がぽつり。
思わず笑ってしまいました。
一生の宝物に
しかし、夫よりも息子のほうがよっぽど女心をわかっているかもしれませんね。
お金そのものよりも、込められた気持ちが何よりも嬉しいですし、まさかこのお金は使えません。
「これはもう、額に入れて飾ろうかな」と言うと、息子は「それはやめてよ〜」と照れて笑っていました。
この千円札は、ずっと私の宝物です。
【体験者:30代女性・専業主婦、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。