入学祝いの贈り物
娘の小学校入学を目前に控えていたある日、我が家では教育資金について真剣に考え始めていました。ちょうどそのタイミングで、義両親から入学祝いが届きました。
中身は、なんと“学資保険”の証書。
「将来のために入っておいたの! 保険料はもちろん私たちが払うから」と、満面の笑みで話す義母。
証書を確認すると、月々3万円というなかなかの高額保険。
「こんなに高い保険料を……」と戸惑う私に、「孫のためだ、心配するな」と義父がきっぱり。
どこか引っかかる思いを抱えつつも、善意でしてくれていることに違いないと、その場ではお礼を伝えるしかありませんでした。
まさかの申し出
それから数ヶ月後、義両親に呼び出されました。
「実は……」と深刻な表情で話し出した義父。なんと、会社の業績が悪化し、保険料を支払い続けるのが難しくなったとのこと。
そして、まさかの一言。
「今後は、お前たちで支払いを続けてくれ」
「え?!」
驚きと困惑で言葉を失いました。月々3万円の保険料は、我が家にとって決して軽い金額ではありません。
夫に相談しても、「まあ、娘のためにもなるしなぁ」と頼りにならない反応。
娘のための決断
悩んだ末、私は意を決して義両親に私たちの現状を伝えました。「申し訳ありませんが、この保険料を私たちが毎月払い続けるのは正直、難しいです。解約させてください」と。
義両親は「せっかく入ったのに」と不満を漏らしましたが、私は冷静に説明しました。
「家計を圧迫するほどの保険料は払えないんです。家計が苦しくなって、娘に我慢を強いることになったら、それこそ娘のためにならないでしょう。」と。
お金の問題は難しい
最終的に、義両親は渋々ながらも解約に同意してくれました。
短期間での解約となり、損は出てしまいましたが、家計への影響を考えると、この選択は正しかったと思っています。
お金の問題って、本当にデリケートですよね。でも、家族だからこそ、遠慮せずに話し合う勇気が必要なんだと、今回のことで強く感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。