みんなに好かれる新人女性の陰口を言う、男尊女卑な上司
私はとある企業で働く、アラフォーのパート社員です。これは数年前に、Aさんという新卒の女性社員が入社した時の話です。
Aさんはいかにも今時の若者という感じのおしゃれな女の子でした。仕事に取り組む姿勢がやる気に満ちていたので、みんなから可愛がられていたのを覚えています。
しかしそんなAさんのことを良く思っていなかったのが、50代のX係長です。X係長は、典型的な【男尊女卑】の考えを持った男性で、Aさんのことを「女だからチヤホヤされているだけだ」と決めつけ、よく陰で文句を言っていました。
Aさんが入社してから2ヶ月ほど経ったある日、そのX係長が取引先とトラブルを起こしてしまいました。自業自得にもかかわらず不機嫌になり、周りの部下たちに当たり散らすX係長。
その時、外出先からAさんが戻ってきました。すると機嫌の悪いX係長が突然、Aさんを怒鳴りつけたのです。「おいA! 俺の席に置いてある空のコップを洗え! 女の仕事だろう!」
Aさんは少しの間固まっていましたが、その後言われた通りにX係長のコップを洗いました。そしてそのまま「体調が悪い」と言って早退してしまいました。
そして次の日の朝、Aさんから「今日は休みます」と連絡が。「Aさん大丈夫かな」と心配していた私たちでしたが、まさかそれがAさんと関わる最後の機会になるとは、思いもしませんでした。
新人女性が休んだ翌日、会社の総務部に1本の電話が
Aさんが休んだ翌日、会社の総務部に1本の電話がかかってきました。かけてきたのは、Aさんから依頼を受けたという【退職代行】の業者。Aさんが退職するための手続きを代わりに引き受けるということでした。
退職理由が「上司からパワハラを受けた」という内容だったため、現場には人事部の社内調査が入り、日頃から女性軽視な言動をしていたX係長は、これを機に閑職に飛ばされたのでした。
【退職代行】を利用して退職することについては賛否両論あると思います。しかしこの件に関しては、退職代行を使って辞めた彼女を一概に責めることはできないと私は感じました。
退職したAさんはとてもいい子だったので、「今でもどこかで頑張っていてくれれば良いな」と思います。
【体験者:30代・女性パート主婦、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N
不動産・金融関係のキャリアから、同ジャンルにまつわるエピソードを取材し、執筆するコラムニストに転身。特に様々な背景を持ち、金融投資をする女性の取材を得意としており、またその分野の女性の美容意識にも関心を持ち、日々インタビューを重ね、記事を執筆中。