義姉の実家に宿泊した翌朝【もてなしの本音】が食卓ににじみ出ていた出来事です。
誘われて宿泊
Sの夫は次男で、地元の義実家の近くに住んでいます。
一方、長男である義兄は転勤族で、現在は都市部の本社勤務。
義兄の妻、つまりSの義姉も地元出身ではなく、義兄とともに遠方で暮らしています。
ある年、義姉の地元で大きなお祭りが開催されるので
「見に来ませんか?」
とお誘いを受けました。
遠方からの参加だったため、当初はホテルを予約しようとしましたが
「うちで良ければ泊まってください」
と義姉の実家から声をかけていただき、お言葉に甘えることにしました。
楽しい祭りの一日
到着日はちょうどお祭り当日。
S夫婦は義姉家族と一緒ににぎやかな会場を歩き、美味しい屋台や見応えのある催しを堪能。
地元の雰囲気に触れる楽しい時間となり、日が暮れる頃には心地よい疲れを感じていました。
夜は義姉のお母さんが夕食にご馳走を用意してくださり、温かく迎えてくれる雰囲気にホッとしたのを覚えています。
朝の食卓に驚き
翌朝、Sが起きて居間に行くと、義姉のお母さんが
「前日の残り物でごめんなさいね」
と言いながら、昨晩のおかずとごはんを出してくれました。
Sは感謝しながら、遠慮なくいただくことに。
ところがその後、義姉が起きてきて席に着くと、義姉のお母さんがいそいそと動き始めました。
炊き立てのごはんに、新しく作られた卵料理や焼き魚など、明らかに用意されたての朝食が次々と義姉の前に並べられていったのです。
感じたもてなしの温度差
文句を言う立場ではないけれど、目に見えて扱いに差があることに驚きました。
何か気に障るようなことをしてしまったのかと自問したものの、思い当たる節もありませんでした。
「嫌なら泊まってくださいなんて言わなければよかったのに」 ──そんな思いが胸に残りました。
楽しかったはずのお祭りの余韻も、どこか薄れてしまい……
S家族は予定より少し早めに義姉の実家を後にし「次に来ることがあっても、今度はホテルを取ろう」と心に決めたのです。
これが【もてなしの本音】 だったのかと、今も忘れられない出来事になりました。
【体験者:50代・会社員、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。