華やかな大学生活
大学生になったばかりの私は、派手なファッションや遊びを好む友人グループに加わり、毎日が新鮮で刺激に満ちているように感じていました。
私の急激な変化を心配して、母は「友達はよく選びなさい。見た目や雰囲気だけで判断してはいけないわ」と忠告してくれましたが、当時の私は「お母さんは古いのよ。今はみんなこうやって楽しんでるんだから」と適当に聞き流していました。
新しい友人グループとの時間が、刺激的で楽しかったのです。
背伸びの代償
友人たちはみんな裕福な家庭で育っており、私も見栄を張ってそのレベルに合わせようと、浪費を繰り返す毎日。
ブランド物を買い、高い店で食事をするようになり、私の生活はどんどん派手になっていきました。
そのうち、派手な生活を維持するためにはアルバイト代だけでは足りなくなり、学生でも借りることができる消費者金融でお金を借りるようになってしまいました。
借金は雪だるま式に膨らみ、やがて私は返済に追われるように……。
友人たちに相談するも、「お金がないなら、親に頼めばいいじゃない?」と軽く言われ、私は絶望しました。
思い切って母に打ち明けると……
ついに私は、母に泣きながら全てを打ち明けました。
「どうしたらいいか分からなくて……」と声を震わせながら、これまでの出来事を必死に説明すると、母は私を厳しく叱った後、優しく抱きしめ、「怖かったでしょう。話してくれてありがとうね」と励ましてくれました。
そして、自分の定期預金を解約して私の借金を肩代わりしてくれたのです。
本当に大切なもの
見栄を張って友人たちに合わせようとした自分の愚かさを痛感し、私は心を入れ替えて派手な友人との付き合いをやめました。
無理をしていた自分にやっと気付いたのです。
母の忠告を聞き入れなかったことを深く後悔し、改めて母への感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
表面的な付き合いではなく、本当に信頼できる人間関係を築くことの大切さを、身をもって思い知った出来事でした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。