人の不幸話が大好きな友人
高校時代からの友人、M子は人の不幸話が大好きでした。
人の失敗談や苦労話を聞くと、嬉々として面白おかしく他人に話してしまうのです。
例えば、共通の友人の結婚式の2次会で、友人代表のA子のスピーチを聞いていた時のこと。
「A子、海外旅行で財布盗まれたんだって! かわいそうだけど、ちょっと笑えるよね~」と、スピーチ中にも関わらずM子はひそひそ声で私に言いました。
私は「人の不幸を笑うなんてひどいよ」と注意しましたが、「だって面白いんだもーん♪」と悪びれる様子もありません。
我慢の限界
その後もM子は、B子の離婚話やC子の転職失敗談などを面白おかしく語り続けました。
しばらくは我慢していましたが、あまりにも人の不幸話ばかりなので、次第にうんざりしていき、私の我慢も限界に!
ついに私は「ちょっとM子、お祝いの席だよ? 人の不幸をネタにするの、もうやめてくれない? 聞いていてすごく不快だし、言われた人も傷つくと思う」と真剣な口調で言いました。
M子は少しムッとした表情を見せましたが、「別に悪気はないもん……」と口ごもりました。
いいかげん大人になって!
ここで引いてはまた元通りだと感じ、私は「悪気がなくても、人を傷つけることはあるんだよ」と言い返しました。
「それに、A子たちの不幸を面白おかしく話すM子を見て、誰が楽しいと思う? いいかげん大人になりなよ」と、普段は言わないようなきつめの言葉も投げかけてしまいました。
私の強い言葉が効いたのか、M子は黙り込んでしまい、それからはさすがに悪口も言わなくなりました。
その後……
この一件以来、M子から連絡が来ることはなくなりました。
他の友人たちからも「M子、最近大人しくなったね」と言われましたし、少しかわいそうな気もしましたが、M子の不幸話がなくなったことで正直ホッとしたのも事実です。
心地よい人間関係を築くためには、お互いを尊重し、思いやる気持ちが大切なのだと改めて実感しました。結果的にはM子とは距離をおくことになってしまいましたが、それでもあの時、勇気を出して本音を伝えて良かったと思っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。