男性たちを虜に
私が20代前半の頃のことです。自分で言うのも何ですが、当事の私はかなり外見に自信があり、派手な生活を送っていました。
既婚者の男性でもお構いなしに誘惑し、貢がせた金で贅沢な暮らしを送る毎日。
SNSのフォロワーも多く、高級レストランでの食事やブランド品の数々、海外旅行の写真を投稿するたびに、コメント欄は賞賛や憧れで溢れかえっていたものです。
「素敵すぎます♡」「憧れます!」フォロワーからのそんな言葉の数々に、私は完全に調子に乗り、「私って人気者だし、何をしても大丈夫」と勘違いしてしまいました。
親しい友人が心配して「いつか痛い目を見るよ」と諌めてくれても、「大丈夫。フォロワーが私を守ってくれるもん!」と一笑に付す始末でした。
崩れ去る慢心
しかし、そんな私の慢心は脆くも崩れ去ります。
複数の相手との関係が悪化し、ついに1人の既婚男性の妻から不倫を暴露されてしまったのです。
私の華やかなSNSは一転、非難のコメントで埋め尽くされ、大炎上しました。
予想外だったのは、これまで私を持ち上げていたフォロワーたちが手のひらを返したように糾弾する側に回ったことです。
「騙された」「そんな人だとは思わなかった」「最低!」といった厳しい言葉が浴びせられ、私は精神的に追い詰められていきました。
フォロワーの豹変
味方だと思っていたフォロワーの豹変に、私は大きなショックを受けました。
姿の見えないフォロワーを信じていた自分の愚かさを、そしてSNSの恐ろしさをようやく思い知ったのです。
炎上騒動は会社にまで知れ渡る羽目になり、気まずさでとても仕事は続けられず、辞めることに。
既婚男性の妻からの慰謝料請求にも追われ、SNSを見る余裕もなくなりました。
そして今は……
今はすっかり懲りて、かつての華やかさとは無縁の、地味な生活を送っています。男性たちとの関係もすべて清算しました。
手軽に情報発信できるようになった一方で、その情報はあっという間に拡散し、時に人を深く傷つけてしまう可能性があることを忘れてはならないのだと、身をもって学んだのです。
「ちょっと自慢したい」「褒められたい」という承認欲求が、時には人生を狂わせることもあるのですね……。皆さんもSNSでの発信にはくれぐれも気をつけてくださいね!
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。