夫の会社では“ワンマン社長”のせいで毎年休暇前に憂鬱になる社員が続出。今年こそは家族で穏やかに過ごしたいと、社員たちが立ち上がった作戦の結末とは。
社長の“気まぐれ”でゴールデンウィークがつぶれる?
「うちはゴールデンウィークに会社の整理整頓をするからな」
そんな一言で、昨年のゴールデンウィーク、社員全員が呼び出されたのだとか。理由は「倉庫が気になる」「備品チェックが必要」などなど。
とはいえ、実際には急ぎの仕事などひとつもなし。
「会社に誰かがいる状態が好き」という、ただそれだけの理由で出社させていたように見えました。
当然、社員の不満は年々ふくらみ、夫も「今年もまたあのパターンだろうな……」と気が重そう。
社員たちの反撃! 「先回り大掃除作戦」
そんな中、ある社員がポツリと口にした一言がきっかけで、状況は動き出します。
「いっそ、社長が何も言えないくらい掃除してしまえばいいんじゃない?」
社員たちは意気投合。
ゴールデンウィーク直前、全員で一致団結し徹底的に社内をピカピカに磨き上げました。
・倉庫は整理整頓済み
・棚の隅や床下も掃除済み
・床はワックスでツヤツヤ
・給湯室もまるで新品
「これ以上やることある?」と思うほどの状態に仕上げたのです。
翌朝、社長が出社。そして例のひと言
「明日からゴールデンウィークだが、うちは会社清掃をするから全員出社だ」
——出た、例の一言。社員たちは顔を見合わせ、そして声を揃えてこう返しました。
「どこを掃除するんですか? もうピカピカですよ?」
社長は社内を一周見回し、明らかに動揺した様子。
目を見開き、口元を震わせ、「ぐ、ぐぬぬ」と唸ったあと、しぶしぶこう言ったそうです。
「……みなさん、ゴールデンウィークは休んでください」
社長の“独断命令”に終止符?
こうして、社員たちの知恵と行動で、理不尽な出社命令は無事回避。
「今年はやっと家族でゆっくりできる」と、夫も嬉しそうに話してくれました。
我が家も念願の温泉旅行を楽しみ、気分もリフレッシュ。
社長の顔色ばかりうかがう日々から少し解放され、ゴールデンウィーク明けには、社員全員が少し明るい表情で出社していたとか。
「会社」は社長ひとりで回るものじゃない。
社員の声なき声が届いたような、そんな春の出来事でした。
【体験者:30代・筆者の夫、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話をもとに構成しています。個人が特定されないよう、内容の一部を編集しています。
ltnライター:北レン
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。