いつもマウント話ばかり
B子さんの子どもが通う幼稚園には、何かと目立つママ友・Aさんがいました。
イベントなどで顔を合わせるたびに、「うちは〇〇塾に通わせてるから」「夫が管理職で年収もそこそこあるのよね」と、話題の中心はいつもAさんの家族の自慢話。
周囲のママたちは表面上はうなずいて聞いていましたが、内心は「またか……」という気持ちでいっぱいでした。だけど、面倒な空気になるのが嫌で、誰も強く言えないまま流されていたのです。
地味だけど芯のあるB子の一言
ある日、PTAの役員会の打ち合わせ中、またAさんが「やっぱり夫が高収入だと心にも余裕ができるのよね〜」とまるで低収入の家庭を否定するかのように、笑いながら話し始めました。
みんなが「はいはい」と苦笑いする中、B子さんがふと落ち着いた声で言いました。
「そうなんだ。ところで私、“家族の時間”を大切にしてる人ってすごく素敵だなって思うんだよね」
声を張ったわけでも、皮肉を込めたわけでもない、あくまで穏やかに、でもはっきりとした言葉でした。
空気が変わった瞬間
その言葉を聞いた瞬間、他のママたちの表情が明るくなり、「そうだよね~!」と共感の声が上がりました。
Aさんは一瞬キョトンとし、次の言葉が出てこない様子。場の空気は明らかに変わり、それ以降、Aさんのあからさまな自慢話は少なくなったそうです。
人間関係は“やさしい距離感”が大事
B子さんは、「あの時、言い返すつもりはなかった。ただ、自分の考えを伝えたかっただけ」と振り返っていました。
誰かを否定することなく、でも自分の意見はしっかり持つ、そのバランスが周囲の共感を呼び、場の空気を変えたのです。
人付き合いのなかで我慢するだけではなく、やさしく距離感を伝える勇気も大切だと、B子さんは教えてくれました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。