忙しすぎて、泣きたくなった日々
フルタイムの仕事に家事、子どもの送り迎え、PTAまで——毎日が分刻みで、A子はいつも余裕がありませんでした。周囲には「大丈夫」と笑顔で振る舞っていたものの、本当はもう限界でした。
ある夜、洗濯物をたたみながら、ふと手が止まりました。突然、涙が溢れてきて、自分でも驚きました。「誰かに話したい……でも誰にも言えない」そのとき、無意識に実家の母に電話をかけていました。
母の声に、崩れ落ちた
電話口で母の声を聞いた瞬間、A子は思わず泣き出してしまいました。「どうしたの? 大丈夫?」という優しい声に、胸の中の不安や疲れが一気にあふれ出ました。
「私、もう頑張れないかも」そうつぶやくと、母は少し笑ってこう言いました。「あんたは昔から頑張りすぎるところがあるからね。そんなに全部やらなくていいんだよ」
母の言葉がくれた、心の余白
母のその一言に、A子は肩の力がふっと抜けたように感じました。「ご飯、たまには買って済ませなさい。洗濯物だって、山になってても死にゃしない」と笑う母の声に、救われたのです。
完璧でいなければいけないと思っていたA子にとって、「手を抜いていい」と言ってくれる存在が、どれほど心強かったか。
親の愛は、いつだって変わらない
その日からA子は、少しずつ力の抜き方を覚えました。全部を一人で抱え込まず、たまには家族に頼ることも覚えました。
「母って、ありがたい存在なんだな」そう改めて感じたとA子は話してくれました。いくつになっても、親の言葉は特別で、心に深く沁みわたるものですね。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。