社会人として初めて足を踏み入れた職場での出会いは、その後の仕事への向き合い方にも大きな影響を与えるものなのではないでしょうか。今回は、筆者の友人が新入社員だった頃に体験したというエピソードをお届けします。

豹変した先輩

しかし、その後のB先輩の言動で、私の認識は180度変わりました。

B先輩は、色々と忙しくなったと言い訳し、私たち研修生への指導を放棄し始めたのです。面倒な仕事も研修生たちに押し付け、質問も適当にあしらうようになりました。

挙句の果てに、「一生懸命教えても、来月には辞めちゃう俺のプラスにはならないしね~(笑)」と平気で言いのけるB先輩に、私は言葉を失いました。

それなのに、飲み会にだけはちゃっかり参加し、「お前らもこの会社にいたら腐っちゃうよ?」などと私たち新入社員を不安にさせる始末。

たとえ転職するにしても、それまでしっかり指導しようとは思わないのだろうか……と、私はB先輩への失望を隠せませんでした。

社会の厳しさを実感

理想の先輩像は脆くも崩れ去り、私は社会の厳しさ、人の二面性を目の当たりにしました。
しかし、幸いなことに会社はとてもホワイトで待遇も良く、B先輩の言うように「腐っちゃう」ようなことにはなりそうにありませんでした。

B先輩がいなくなった後、配属された指導係の先輩もしっかりとした方で、安心して仕事に取り組むことができました。
もし、自分が後輩を指導する立場になったとしたら、B先輩のように無責任な態度だけは絶対に取りたくない、と心に決めています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。