倉庫型スーパー
私の家から30分くらいのところにある人気の倉庫型スーパー。
特に多くのお客さんが集まるのは、試食ができる食品コーナーです。
いつもさまざまな食品が試食できるようになっているのですが、アレルギーなどへの配慮のため、子どもが試食品を直接受け取ることは禁止されています。
店員さんは必ず親に渡すことがルールになっていて、子どもだけで行っても「お父さんやお母さんと一緒に来てね。」と言われるのです。
一番人気
私たちが行った日に一番人気だった試食はステーキでした。
私たちも列に並んでいると、私の前には小学生ぐらいの女の子が2人で並んでいました。
女の子たちの順番になった時、店員さんが「お父さんかお母さんは?」と聞くと「いない。」と一言。
子どもには直接渡せないことを店員さんが説明し、「ちょっと待ってて。」と言って、列から離れて店員さんの近くに立つように言われていました。
私たちが次の番だったので試食をもらおうとすると、いきなり「順番は?」と女性の怒ったような声が聞こえ、列の後ろの方から女の子たちの親と思しき女性がすごい勢いで歩いてきたのです。
非常識な母親
店員さんがアレルギーの話を説明しても、その女性は「もう小学生なんだからそれくらい大丈夫よ!」と怒ったままでした。
店員さんが「では、お母さんが渡してあげてください。」と言うと、何と「じゃあ7個!」と言ったのです。
店員さんがキョトンとしていると「うちは子どもが7人いるのよ!」と女性。
店員さんは女性に7つの試食を渡しました。
横を見ると、いつの間にか同じ年代の子どもたちがズラリ……店員さんは最後まで笑顔でしたが、並んでいた私たちは女性の態度にドン引きでした。
母親のセリフ
その後も、店内の他の試食コーナーにはその子どもたちが次々に並んでいました。
でも母親の姿はなし。
お肉のコーナーには同じ子どもが2回並んでいたし、パンや果物の試食にも子どもだけで並び、店員さんと同じやり取りを繰り返す光景を何度も目にしました。
会計後、出口へ行くとその家族と偶然一緒に。
母親が子どもたちに「お腹いっぱいになったの?」と吐き捨てるように言っているのを聞いて、何だかとても嫌な気分になりました。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。