ある日、同僚がお客さんにポイントをつけ忘れてしまったのですが……
ポイントをつけ忘れてしまった同僚
昔、私はとあるコンビニでアルバイトをしていました。
そのコンビニでは、ポイントカードをレジとは違う端末でスキャンし、ポイントを付与するという仕組みになっています。
その日は、大学生で真面目なC君とシフトに入っていましたが、忙しかったせいかC君は50代ぐらいの男性客の会計の際、ポイントをつけ忘れてしまいました。
男性客が店を出た後、C君自身もそのことに気付き、自分のミスに少し落ち込んでいました。
男性客が戻ってくる
しかし、5分後その男性客が店に戻ってきました。
そして「ポイントがついていないんだけど」とC君に言います。
C君は丁寧に謝罪し、ポイントをつけ直す操作を行いました。
そしてC君が、「ポイントをつけ直しましたが、反映されるまで時間がかかる場合がございます」と伝えると、男性客は頷き一度出ていきましたが、3分後また店に戻ってきました。
そして今度は、いきなり怒鳴り始めたのです。
怒鳴り散らすクレーマー
「ポイントがついていない!」と先ほどの男性客は怒鳴り、C君のレジの前で仁王立ちになりました。
そして、執拗にC君を責め始めました。
C君が「ポイントが反映されるまでに時間がかかる場合がある」と再度伝えても、聞く耳を持ちません。
私がどうしたらいいか戸惑っていると、40代くらいのスーツ姿の男性が、そのクレーマー男性のほうにつかつかと近寄っていきました。
クレーマーを追い出すサラリーマン
男性は、クレーマー男性に近づくと、
「いい大人が若い子捕まえてみっともないですよ。見てください、あなたのせいでみんな会計できなくて困ってるんです」と、淡々とした様子で話しかけました。
その時、お店は混んでいてたくさんのお客さんがいましたが、クレーマー男性がレジを占領しているので、会計が進まず混雑がひどくなっていました。
クレーマー男性は後ろを振り返り、店中から白い目で見られていることに気が付くと、気まずくなったのか、C君に捨て台詞を吐いて出ていきました。
帰っていくサラリーマン
クレーマー男性が出ていくのを見届けると、男性はC君の肩をポンっと叩き、「気にするなよ」と優しく言うと、自分の会計を済ませ帰っていきました。
その態度に、私を含め店にいた女性は思わずきゅんとしたことでしょう。
助けてくれた男性がスーパーマンのように、とても格好よく見えた体験でした。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。