何もかもを捨てて逃げ出したい。まさに人生のどん底のような気分で、そんな風に思ったことがある人も多いのではないでしょうか?
今回は筆者の知人A子さんの体験談をご紹介します。

なんだか人生つまらない。しんどいなぁ

アラフォーのA子さんは長年彼氏もおらず、友人も少ない人でした。
仕事も楽しくないし、転職したいと思うこともしばしば。
上司は苦手で若手とも距離があり、常に孤独を感じてしまうような状況でした。

プライベートでも仕事でも、自分の居場所がないように感じてしまう……。
孤独感や寂しさが募り、夜な夜な泣くこともありました。

私は何をしているのだろう。悔しさとやるせなさで涙が出る

ある朝「消えてしまいたい」という気持ちが強く、初めて仮病で仕事を休みました。
その日は金曜日だったので、土日を含めると実質3日間のお休みです。
ぼーっとSNSでキラキラ生活をUPする人達を見ていると、羨ましくて涙が出てきました。

(皆好きな人達と旅行に行って、人生楽しそうでいいな……)

そう思うと、「自分には何もない」「今も楽しくない、これからも明るい未来が見えない」
そんな風にどんどんマイナス思考になってしまったのです。

いっそのこと全てを捨てて、どこかに逃げてしまいたい。
でも逃げるなんて、一体どこへ?

その時に、ふと閃いたのです。

せっかく逃げるなら、行きたいところに行ってみる??

「もしかして、今って旅行とか行けるんじゃない?」

貯金もそれなりにあり、何より時間がある。
今何もかも捨てて逃げる「予行演習」をしてみようか、そんな風に考えたのです。
そうして思い立って、一泊分の荷物をまとめて、そのまま新幹線へ飛び乗りました。

そこは昔から行ってみたかった観光地でした。
周りは楽しそうにしている観光客ばかりなので、一人でいるのは少し気が引けました。
帽子を深く被りつつ、「せっかく来たのだから」と、少し観光することに。

その後はSNSで気になっていた、少し高い旅館へ。
豪華な夕食付きの部屋は満席でしたが、幸いなことに素泊まりで一部屋だけ空いていたのです。
旅館内にレストランやBARもあり、夜食のサービスもあったので、一人で宴会場へ行かなくて済んだと、逆に安心しました。

次の日はゆっくり観光し、そのまま新幹線で帰宅。
突然の弾丸旅行にずっとドキドキしながら、帰宅後も興奮状態でなかなか寝付けませんでした。

たまには逃げてもいいんだ。自分を追い詰めずに、肩の力を抜いてみようかな

翌朝の日曜日は、家でゆっくり過ごすことにしていました。
日曜はいつも家で鬱々と過ごすのに、その日は朝から掃除に洗濯、お土産の食パンをトーストして、優雅にランチを済ませたのです。
不思議と心が軽く、なんだか何でも出来そうな気分でした。

突然の旅行だなんて、自分の行動力に自分自身が一番驚きました。
まさに「死ぬ気」というか、「どうせ死ぬなら、死ぬ前に楽しいことがしたい」というような、本当に思い切った行動だったのです。

本当はずっと旅行が好きだったし、やってみたいことが沢山あったと思い出せました。
毎日を楽しく過ごすのは自分次第なのだと改めて思ったし、しんどい時は逃げてもいいんだと感じた出来事でした。

まとめ

何もかもを捨ててどこかへ。そのくらい追い詰められているのは、本当に辛かったと思います。
生きることはとてつもない労力を使うと、私は思っています。
疲れたら一休み、元気な時には一歩前へ。
皆様が少しでも、笑って過ごせますように。

【体験者:40代・OL、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。