子どものお祝いで・・・
Rさんは当時、旦那さんと子どもとの3人暮らし。
その日は子どもの3歳のお祝いで、自宅に義両親を招いて手料理をふるまうことになっていました。
「何をいただけるのかしら、楽しみにしてるわ!」
やってきた義母はそう言って、初めて口にするRさんの手料理を楽しみにしているようでした。
Rさんがその日用意したのは、得意料理の煮物と鯛の塩焼き、お吸い物など。子どもも一緒に食べるので、全体的に薄めの味付けにしていました。
「Rさん、何かお手伝いしましょうか」
Rさんが食事の支度をしていると、キッチンに義母がやってきました。
旦那さんと義父が子どもの面倒を見てくれているので、どうやら暇になったようです。
義母の行動にビックリ
「ねえ、ちょっと味見してもいいかしら」
「あ、どうぞ……お口に合うといいんですが」
Rさんの言葉を聞き終わるより早く、義母は鍋の中の煮物を手でつまんで味見をしました。
「うーん…… 」
義母は首を傾げながら煮物を食べ、Rさんはドキドキしながらそれを見ていました。
旦那さんによると義母はかなり料理上手で、味にうるさいとのこと。どんな評価をされるか気が気ではありません。
「ちょっと味が足りないわ!」
義母はそう言って、おもむろい近くに置いてある醤油を手に取り、鍋にドバドバと入れ始めました。
「お、お義母さん!?」
慌てるRさんを見て、義母は大きくため息をつきました。
「息子は本当は濃い味付けが好きなのよ。いつもこんな薄味で我慢してるのかしら、かわいそうに!」
Rさんは義母に、今日は3歳の子どもも一緒に食べるので薄い味付けにしていること、夫もそれを理解していることを伝えました。
「なのでこれはちょっと、うちでは食べられないです」
義母が味付けをした煮物は、間違えて子どもが食べないようにタッパーに詰め、義両親に持って帰ってもらいました。
その後、義母はRさんに「うちの味付けを教えてあげる」と言って何度も押しかけてきましたが、旦那さんに「俺も最近薄味に慣れて、濃い味が食べられない」と言われてショックを受けていたそうです。
わが子の好きな味付けにしてあげたいという親心はわかりますが、勝手に味付けを変えるのは遠慮してもらいたいですね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。