仕事に真剣に向き合う気持ちは、雇用形態に関係なく同じ。しかし職場では思いがけず「立場の壁」を感じることがあるかもしれません。
筆者の知人A子が職場で起きた出来事を話してくれました。

「パートは黙っていて」?

A子の言葉に対して、ある社員が冷たく言い放ちました。

「パートの分際で口挟まなくていいんだよ。言われたことだけやってくれればいいから」

その一言に、言葉を失うA子。

「確かに自分はパートかもしれない。でも、長年会社のために尽力してきたのに、意見をすることもできないの?」
A子の心は悔しさと悲しさでいっぱいになりました。

社長の言葉が救ってくれた

しばらくして、この出来事を知った別の社員が社長に伝えました。すると、社長はこう言ったのです。

「A子さんは、長年会社に貢献してくれている大切な仲間です。今回のシステム変更は全員に関わることだから、立場に関係なく、どんどん意見を出してほしい」

その言葉を聞いた瞬間、A子の心がふっと軽くなりました。自分の意見は決して無駄ではなかったのだと。

立場を超えて、より良い職場へ

この経験を通じて、A子は改めて仕事に対する意欲が高まり、職場に対する愛着を再認識しました。

A子に冷たい言葉を投げかけた社員は、「立場の違い」を意識しすぎてしまい、無意識のうちに壁を作っていたのかもしれません。

確かに、仕事の内容によっては立場をわきまえる必要があります。しかしパートだから、社員だからと区別するのではなく、お互いを尊重しながら働くことが、よりよい職場を作るのではないでしょうか。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。