突然の訪問
画面に表示されていたのは、K代の番号。
仕事中のはずなのに、何かと思って電話に出ると「今、家にいる?」と懐かしいK代の声が聞こえてきました。
私が「うん。」と答えると、K代は「今、T駅(我が家の最寄り駅)にいるんだけど、こっから近い?」と言ったのです。
何と、K代は忙しい仕事の合間を縫って、電車で2時間近くかかる私の家まで来ようとしてくれていました。
驚いた私は、「今から迎えに行く!」と急いで車に乗って駅へ。
そこには以前と変わらない颯爽としたK代が立っていました。
いつものK代
「T(H代の息子)から聞いたんだよ。H美(私)が元気がないって。」
息子たちのSNSの繋がりを知らなかった私は、本当に驚きました。
「どうした? 話聞くよ?」と言われた瞬間に、私は涙が止まらなくなってしまいました。
聞いてほしかったこと、答えを出したかったこと、いろいろK代に聞いてもらえた私は、ようやく笑うことができるようになったのです。
ママ友から親友へ
K代は相変わらず冷静な口調で「そこまで思いつめる前に電話しなよ。いつでもこっちは動けるんだから。」と言ってくれました。
孤独に参っていた私は、ここまでしてくれるK代という親友の存在に心から感謝しています。
ママ友なんて……と思っていましたが、子どもを通じての出会いでも、こんな大切な存在になる人もできるんだなぁと思う今日この頃です。
【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。