地方に暮らすOは、2人の子どもが高校卒業後に東京の大学へ進学した際、実家の両親のもとから通わせることにしました。
親も賛成してくれたし、にぎやかな暮らしを喜んでくれていると、安心していたのですが──。
妹の言葉にドキッとした
そんなある日、東京に住むOの妹から連絡がありました。
「お姉ちゃんは、両親に甘えすぎだよ。私だって親孝行したいのに、いつも子どもが家にいると、母が気にして出かけようとしないの」
妹が1泊2日の旅行に誘っても
「孫を預かっているから無責任なことはできない」
と断られることが続いていたといいます。
気づいていなかった「親の負担」
その言葉に、Oははっとしました。
定年後の張りになると思っていたけれど、実際には両親は娘の帰宅を待って夜遅くまで起きていたり駅まで迎えに行ってくれたり、ご飯の用意や洗濯など、子どもたちの日々の暮らしを支えてくれていたのです。
仕送りをしていたとはいえ(孫を預かっている) というのは、親にとって大きな責任だったはず。
Oは親のやさしさに甘えていた自分を深く反省しました。
ひとり暮らしを決意した娘
その後、娘ともきちんと話し合い、就職を機に都内で一人暮らしを始めることに。
Oにとっても、親の負担を軽くできたことは大きな安心になったそうです。
娘のことを思うあまり、気づかないうちに親に甘えすぎていたこと。
(ありがたい) と思っていた環境が、親の自由を奪っていたかもしれないこと。
その両方に気づけたのは、妹のひとことがあったからこそでした。
「親の若さや体力は永遠じゃない」 ──妹のこの一言が、今もOの心に強く残っています。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。