社会人なのに、母の口出しが止まらない
私は大学卒業後も実家で母と暮らしています。母は料理好きで、私の夕飯も毎日用意してくれています。とはいえ、私は外で予定があるときには「今日は夕飯いらないから」と伝えるようにしていました。にもかかわらず、少しでも帰りが遅れると「ちゃんと夕飯は食べたの?」と確認のLINEが来るのです。
ありがたい反面、その干渉はかなり強め。
「その洋服、派手じゃない? もっと落ち着いたの着なさい」
「休日は無駄遣いしないで、家で休んだら?」
最初は「心配してくれてるんだ」と受け入れていましたが、社会人になった今でも“子ども扱い”されることに、次第にモヤモヤが募っていきました。
職場にまで!? ついに我慢の限界
ある日、会社の飲み会があり、「今日は飲み会で遅くなるから」と朝、母に伝えて出かけました。
それでも、いつもの帰宅時間より帰りが遅くなると、スマホには母からの着信が10件以上。
「遅いから心配してたのよ!」と言われ、私は「だから朝に伝えたよね?」と呆れてしまいました。私が「飲み会だったの」と説明しても、母は「何かあったらどうするの!」とヒステリックに。
そして極めつけは、ある平日の昼休み。上司に呼び出され、「H子さん、お母さんから電話があったんだけど」と言われたときは、頭が真っ白になりました。
母に連絡すると、「最近疲れてるみたいだったから、会社に休ませてあげてって言おうと思って」と……。
「しばらく距離を置きたい」と告げた日
そのとき、私は本気で思いました。「このままでは自立できない」。
家を出ることも考えましたが、奨学金の返済や貯金の都合で、すぐには一人暮らしは難しい。それでも精神的に自立するために、「これからはLINEや電話は少し控えてほしい」と母に伝えました。
母は最初「そこまで言わなくても……」と戸惑っていましたが、私の真剣な様子に「わかったわ」と渋々納得。
それ以降、母は徐々に干渉を控えるようになり、私はようやく“自分の人生”を歩み始めたような感覚になりました。
親の愛情に甘えすぎず、自分の意思で動くこと
H子さんは、「母の愛情には感謝しているけれど、過剰な干渉は心の自由を奪う」と話していました。
「親子でも、時には線引きが必要。私は今、やっと自分の人生を自分で選べるようになってきた」と穏やかな笑顔で語ってくれました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。