致命的なミス……クビを覚悟
Bさんは営業部で働く30代の会社員。ある日、大口の取引先に送るはずだった契約書の金額を誤記載し、そのまま送付してしまいました。
すぐに気づいたものの、先方はすでに書類を確認済み。金額の相違に気づいた取引先から連絡があり、Bさんは青ざめました。
「これは大問題だ……」
契約金額の間違いは、会社にとって大きな損失。上司にも報告し、事態を収拾しようとしましたが、「お前の責任だぞ」と厳しい言葉を受け、Bさんは頭を抱えました。
社長に呼び出される
その日の夕方、Bさんは社長室に呼ばれました。
「ついにクビかもしれない……」
緊張しながら部屋に入ると、社長は静かにBさんの話を聞いた後、こう言いました。
「君はこのミスから何を学んだ?」
Bさんは驚きました。怒鳴られると思っていたのに、社長は冷静でした。
社長の意外な言葉
「ミスをしたことは事実だ。でも、それより大事なのは、これをどう活かすかだ。」
社長は続けました。
「私も若い頃、大きなミスをして会社に損害を出したことがある。でも、その失敗をバネに成長したから、今がある。」
Bさんは思わず涙がこぼれました。
「責任を取るのは当然だが、これを最後の失敗にすればいい。次に同じミスをしないように、どうすればいいか考えなさい。」
再びチャンスをもらう
Bさんはその後、契約書のチェック体制を強化し、同じミスを繰り返さない仕組みを作りました。その結果、社内のミスが大幅に減り、上司からも信頼されるように。
「クビだと思っていたのに、成長のチャンスをもらえた……」
社長の言葉は、Bさんにとって一生忘れられないものとなりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。