子どもが将来について考え始める時期、親としてはどうしても口出ししたくなってしまいますよね。しかし、子どもの人生は子ども自身が決めるもの。アドバイスはしても、干渉しすぎるのは良くありません。今回は知人の体験談をお届けします。
大学進学への固執
息子が高校3年生になった頃、将来について話し合う機会がありました。
当時、息子は進学ではなく就職を希望していました。「大好きな自動車に関わっていたい」「手に職をつけたい」と言うのです。
しかし、当時の私は世間体を気にするあまり、息子の気持ちを理解しようともしませんでした。
「大学くらい出ておきなさい。大卒じゃないと良い仕事に就けないわよ」と、一方的に進学を勧めてしまったのです。
熱意に水を差すような言葉に、息子は明らかに落胆していましたが、最終的には渋々私の意見を受け入れました。
大学での挫折
大学に進学した息子でしたが、興味のない勉強に身が入らず、授業にもあまり出席しなくなっていきました。
日常生活でもどこか元気がなく、会話も弾みません。それでも私は「そのうち慣れるだろう」と楽観的に考えていました。
しかし、大学2年生の秋、息子は退学届を持って帰ってきました。
「やっぱり、大学は自分に合わない。申し訳ないけれど、もう1度、就職を考えてもいいだろうか」と神妙な面持ちで言うのです。
私は目の前が真っ暗になりました。これまでの苦労は一体何だったのか……と落胆の気持ちが押し寄せました。
しかし、息子の決意は固く、覆すことはできませんでした。