シングルマザーの奮闘
数年前に離婚した私は、1人娘の育児をしながらシングルマザーとして奮闘していました。
生活は決して楽ではありませんでしたが、娘の笑顔が私の原動力でした。
毎日忙しく過ごしながらも、少しずつ生活に余裕が出てきた頃、仕事関係で知り合ったBさんと惹かれあい、やがて真剣な交際が始まりました。
Bさんは誠実で理解のある人で、私の過去も全て受け入れてくれました。
娘もBさんに懐き、一緒に過ごす時間も徐々に増えてきました。
もちろん娘の幸せが第一なので、時間をかけて関係を築く中で、「再婚して家族になれたらいいね」と話していたのですが……。
元夫との遭遇
ある日、Bさんと私が仕事帰りに街を歩いていると、偶然元夫のC男と遭遇してしまいました。
C男は、私の幸せそうな様子とBさんの存在に嫉妬したのか、近付いてきて、挨拶もそこそこに私の目の前でBさんに私の悪口を言い始めました。
「A子は浪費癖があって、金遣いが荒いんだ。いつも金に困っていて、俺にたかってばかりだった」と、事実無根のことをまくしたててきました。そんなC男に圧倒されてしまい、私が何も言えなくなっていると……?
彼の反応は
しかし、Bさんは私の肩を抱き寄せ、C男に静かに、しかしハッキリと言い放ちました。
「A子さんとは真剣にお付き合いさせていただいていますが、浪費癖だと思ったことはありませんし、彼女はとても質素に暮らしていますよ。『いつも金に困っていた』と言いますが、それはあなたに借金を押し付けられ、苦労していたからでしょう。彼女はもう新しい人生を歩み始めています。あなたにとやかく言われる筋合いはありません」
Bさんの言葉はC男の痛いところを突いていました。私とC男が離婚に至った原因は、まさにC男の浪費癖と借金だったからです。
未来への確信
Bさんの迫力に押されたC男は、何も言えずに顔を真っ赤にしてその場を立ち去りました。
C男との再会という嫌な出来事でしたが、Bさんの凛とした態度に感動し、「この人となら大丈夫」と心から思えるきっかけにもなりました。
辛い過去を乗り越え、やっと掴んだ幸せ。この幸せを大切に、娘とBさんと3人で進んでいけたらと思っています。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。