そろそろ反抗期?
息子が中学生になった頃のことです。
以前は明るく活発だった息子が、ある時期から口数を減らし、部屋に閉じこもりがちになりました。
話しかけても素っ気ない返事か、無視。
寂しさと不安を感じながらも、私は「そろそろ反抗期なのかな? 男の子だし、仕方ないよね……」と自分に言い聞かせました。
深刻化していく異変
ところが、そのうち息子が学校を休み始めました。
最初は風邪だと思っていましたが、日に日に元気がなくなり、食欲もなく、夜もあまり眠れていない様子。
「どうしたの? 何かあった?」と聞いても「別に……」としか言いません。
心配になった私は、担任の先生に相談することにしました。
思いがけない言葉
先生に相談すると、思いがけない言葉を告げられました。
「実は、息子さん、最近いじめられているみたいなんです」
私は驚愕しました。いじめられているなんて、全く気付いていませんでした。
反抗期だと思っていた息子の態度は、実は息子なりの【SOSのサイン】だったのです。
もちろん、すぐに息子本人にも話を聞きました。
最初は何も話そうとしませんでしたが、私の真剣な眼差しに、少しずつ打ち明けてくれました。
同級生からの無視、陰口、仲間外れ……。胸が張り裂ける思いでした。
決め付けず、向き合うこと
それから数か月間、学校と連携を取り、いじめの解決に奔走しました。
加害生徒への指導、クラス全体へのいじめ防止の啓発活動など、様々な対策が取られました。同時に、私たち家族は息子を精神的に支え続け、寄り添いました。
その甲斐あって、やがていじめは収束し、徐々にですが息子は再び学校に行けるようになったのです。
反抗期だと思い込んでいた息子の異変を見過ごさずに済み、私もホッとしました。
同時に、子どもの様子がおかしいと感じたら「反抗期だ」と安易に決め付けずに、向き合うことが大切なのだと学びました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。