いじめはあってはいけないこと。しかし、いつの時代もいじめが根絶されることはありません。いじめがきっかけで、人間関係が大きく変わってしまい、トラウマを抱えたり、人を信じられなくなってしまったりする方もいます。今回はそんないじめに関する筆者のエピソードを紹介します。

謝罪

ひとしきり泣き終えたA子は落ち着き、ようやく口を開きました。

「あんなに仲良しで〇〇(私の名前)のこと大好きだったのに、守ったり庇ったりできなくてごめん。でも私は〇〇みたいに強くないから、学校で〇〇に話しかけたり、いじめっこたちに文句言ったりできない。だけどずっと話したかった。」

そう言いながらA子はまた涙を流しています。

私の気持ち

いじめが始まり、周囲が離れていったことで、周りのすべてが敵だと感じていました。
しかし、A子の本当の気持ちを知って、彼女が私を慕ってくれている心境に正直嫌な気持ちにはなりませんでした。

私はA子に「私は大丈夫。別に学校だけがすべてじゃないよ。私と話したくなったら電話してきてもいいし、家に来てもいいし。気にしないで。」と伝え、その日は解散。

翌日からA子は毎日放課後に私の家へ来るようになりました。
学校では相変わらずいじめが続き、つらくなかったとは言えませんが、放課後が楽しみになったので、なんとか乗り越えられました。

思い

このお話を聞いて「いやいや友達なら学校でも一緒にいなよ。」とA子を批難する方もいると思います。

しかし人はさほど強くありません。
自分が弱いと認めることも決して簡単なことではありません。

自分の弱い部分をさらけ出し、本音で話してくれたA子のことを、私はどうしても弱いとは思えないのです。みなさんは、どう思われますか?

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。