突然のレンタル要求に戸惑う
それから数日後。
「Kくんのスーツ、来年の入学式で予約していい?」とAさんからメッセージが。
「予約?」
私は何のことかわからず意図を聞きました。
すると「子どもの入学式のスーツ、貸してくれない? 入学式の1日だけ」とのこと。
「子どもとはいえ、入学式のスーツって値段ばかにならないでしょう。1日だけだし、汚さないからさ。子どもって大きくなるからそのときしか着られないし。買うにはちょっとね」というのです。
断る難しさと心の葛藤
これからの1年、息子の身長は伸び、冠婚葬祭でもなければこのスーツを着ることはないかもしれない。Aさんの気持ちはわからなくもないですが、正直彼女と私はそこまで近しいママ友ではありませんでした。
そのような関係性で、まさか私の送った写真でスーツの品定めをして、レンタルを要求してくるなんて! と思ってしまったのです。
私は、Aさんの少し図太い面に面食らってしまったのと同時に、あまり親しくない人と万が一トラブルが発生したら嫌だなという気持ちがありました。
一方で、「貸してあげない自分は心が小さいのか」とも思いました。しかし「入学おめでとう!」と言うためでもなく、連絡をしてきた理由が「スーツの品定め」だったことはやはり心に引っかかったのです。
丁寧に断るも意外な結末が
結局、「ごめんね、このスーツは息子が大事にしているものだから、貸せないんだ」と断りました。
Aさんは「あ、そうなの」と引き下がりました。私はどう返信すべきかとても悩んで送ったため、この返事には拍子抜け。
そして後日。
一緒に写真に写っていた別の男の子に、Aさんは「スーツレンタルしたい」と、同じようなメッセージを送ったそうです。
あっさりと解決したのは良かったのですが、モヤっと感が残る出来事でした。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。