海外転勤の末、やっと日本に……
Sさんの旦那さんは外資系企業に勤めているため、アメリカや中国など海外での勤務が多く、家族は転勤の度に色々な国を転々として暮らしていました。
しかし子どもが小学校低学年になった今では、旦那さんの部署異動により、日本に腰を落ち着かせて暮らせるようになっています。
Sさんはやっと日本で暮らせると安心し、子どもを通じてできたママ友たちと親しく付き合うようになりました。
そんなある日、Sさんはママ友たちと子どもを交えてファミレスで食事をしようと誘われました。
マウンティングママの発言
「うちは今度の休みに某テーマパークに行くの! 毎年行ってるのよ」
ファミレスで、ママ友グループの中でも密かに「マウンティングママ」と呼ばれており、自慢とマウンティングをするママ友のTさんが得意げに話し始めました。
「へー、うちは行ったことないや」
Sさんの娘がぽつりと呟くと、Tさんはますます得意げに話し始めました。
「えー、あのテーマパークに連れて行ってもらったことないの!? うちは年に3回は行ってるわよ。Sさんちってレジャーにあんまり興味ないの? 子どもがかわいそうよー」
〇〇してないなんてかわいそう、というのはいつものTさんのマウンティングのやり方です。
他のママ友たちもまた始まった、と顔を見合わせました。
するとSさんの娘はきょとんとした顔でこう言ったのです。
「かわいそうじゃないよー、日本ではまだないけど、アメリカのは何回か行ったから」
実はそのテーマパークは日本以外にも世界の有名な都市にあるのです。海外赴任の間に家族で何回か行ったのを娘さんはしっかりと覚えていました。
「そ、そうなんだ……」
Sさんは顔を赤くして黙り込み、マウンティングはそこでストップしたそうです。
人の家の事情を何も知らないのに、「かわいそう」といってマウンティングばかりしていると、後で恥をかくこともありますね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。