あることがきっかけで、家族との会話が増えました。
そのあることとは……?
反抗期の息子とのコミュニケーションに悩む
息子の涼真は小さい頃は、学校から帰るや否や私の後をついて回って、その日の出来事を話してくれるような話好きな子どもでした。
いつも家族の真ん中にいて、みんなを盛り上げてくれるムードメーカー。
そんな涼真だったのですが、中学校に入学した頃から反抗期に入ったのでしょう。
家族との会話がだんだん減ってきました。
夫が話しかけると返事はするのですが、私が話しかけても無視か「うるせえなぁ」のひと言。
家にいる時は、ほとんど自分の部屋で過ごして、顔を見せることがありません。
反抗期の息子とコミュニケーションの難しさに、私は頭を悩ませていました。
久しぶりに息子が話しかけてきた理由は
涼真が中学校2年生の時のこと、珍しく涼真から私に話しかけてきたのです。
話を聞くと、同級生の家で生まれた犬の赤ちゃんをもらいたいとのことでした。
思いもよらない涼真の言葉に驚きながらも
「犬を家族に迎えるということは、大変なことなのよ」
「最後まで責任をもってお世話しないといけないの。あなたにできるの?」
と尋ねました。
涼真は「絶対に大切に世話をするから、お願い」と頭を下げてきました。
帰宅した夫にも犬の話をして頭を下げる涼真。
夫とも相談して我が家に子犬を迎え入れることにしたのです。
息子の心の扉を開いたのは
迎え入れたオスの子犬に、涼真がジョンと名づけました。
やんちゃなジョンの世話は大変でしたが、涼真は楽しそうに世話をしていました。
ジョンの世話を通じて家族の会話も増えました。
涼真が帰ってくると真っ先に玄関に迎えに行くジョン。
涼真がリビングのソファでうたた寝をしていると、隣で一緒に寝ているジョン。
一人っ子の涼真とジョンはまるで兄弟のように仲良しでした。
ジョンが繋いだ家族の絆
涼真は大学卒業後、就職と同時に家を出て生活することになりました。
歳をとったジョンは涼真の匂いが残るクッションにあごを乗せて、よく居眠りをしていました。
涼真が家を出て一年ほどして、亡くなってしまったジョン。
やっと帰省できた時に涼真はジョンの骨壺を抱きしめて、いつまでも泣いていました。
ジョンが亡くなって3年になりますが、今でも涼真が帰省するたびに、ジョンの思い出話に花が咲きます。
誰もが経験するであろう反抗期の息子との心の隔たり。
そんな中ジョンは家族の心の懸け橋になってくれました。
「絶対に世話をする」という涼真の言葉を信じてジョンを迎え入れて良かったと、心から思っています。
【体験者:50代・主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。