「お友だち」前提に困惑
そんな数あるお便りの中でも私が目を疑ったのは、「お休みしたときに、連絡帳を頼むお友だちの氏名」という欄。
「入学初日にお友だち?!」私はぎょっとしました。同じ保育園から娘の通う小学校に入学した子はゼロ。保護者の知り合いもいなければ、知っている子どももゼロ。
ただでさえ不安な小学校入学なのに、ますます困惑しました。
私の心境
そういえば、周りを見ると保護者同士で話している人もちらほら。私はまったく知り合いがいないのでポツンとしていました。
そしてこの「お友だち欄」には、注意書きでこうも書かれていました。
「お友だち欄は、お相手の許可もとった上でご記入ください」
勝手にお友だち認定しちゃだめということ。そりゃそうです。
先生の優しい言葉
そして担任の先生から諸注意や連絡事項が伝えられる中で、先生はその「連絡帳を頼むお友だち」についても触れました。
「まだお友だちができていない人も心配しないでください。クラスの中で仲良くなった子と相談して決めていけばいいですよ」と説明してくれたのです。
娘の成長と意外な解決
その後数週間が経ち、相変わらず「お友だち欄」は空欄のまま。そんな中、娘は少しずつクラスに馴染んでいきました。
ある日、娘がうれしそうに「ママ、連絡帳のお友だち、決まったよ!」と報告してきたのです。
内心動揺しつつも、「へえ、誰にしたの?」と尋ねると、
「となりの席の子と、後ろの席の子だよ」と誇らしげに答えてくれたのです。
子どもの適応力と成長が、親の心配を解消してくれたのでした。
【体験者:30代・パートタイム、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。