筆者の友人・A音は結婚後、子どもを授かることができませんでした。そんなA音に対し、義両親は「子どもを産めないような女とは別れろ!」と暴言を繰り返す始末。あまり顔を合わせないようにして来たA音でしたが……。

告知

私は結婚してから治療を続けていたのですが、どうしても子どもを授かることができませんでした。
そんな私に対して、義両親は「出来損ないの嫁」として嫌がらせや嫌味を言い続ける始末。

そして、結婚してちょうど10年目の夏、私は乳がんの告知を受けてしまいました。
真っ先に夫へ報告したのですが、慌てふためく私とは対照的に、夫は淡々とした対応。
何とも心細い状態で治療を受けることになったのです。

治療

私は乳がんの標準治療といわれる手術と抗がん剤の治療を受けることになりました。
お金のこと、家のこと……夫に伝えることが山ほどあったのですが、夫は仕事の申し送りのように「わかった。」と一言だけ。

手術は成功したものの、抗がん剤の治療はとても辛く苦しいものでした。
思うように動けなくなってしまった私に対し、夫は特に何も言わず、家のことを手伝ってくれていました。
しかし、ある日事態が急転!
私の退院を知った義母が、いきなり家に押しかけて来たのです。

本音

義母は体調のすぐれない私に対し「疫病神!」「子どもが産めないだけかと思ったら、ガンになるなんて!」と暴言を繰り返しました。
すると、黙って聞いていた夫が「いい加減にしてくれ!」と義母に反論!

「A音(私)は俺の大事な家族なんだよ。俺は今回のことでA音が死んじゃうんじゃないかって不安に押しつぶされそうだった。だから上手に励ますこともできなかったけど、こうやっていてくれるだけで俺は十分なんだ。それを何だ? 俺の大事な家族をバカにするなら、もう会う必要はない! 帰ってくれ!」と義母を追い返してくれたのです。

その後

私は、知らん顔をしていると思った夫の本音を聞いてビックリしました。
確かに口下手で不器用な人ではありますが、私のことを守ってくれた夫のことを見直すきっかけになったことは間違いありません。

その後、私たちは義両親と絶縁状態に。
治療は今でも続いていますが、夫は私をしっかりとサポートしてくれています。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。