「親孝行がしたい」多くの方がそう思うのではないでしょうか。
筆者の知人A子は「孫の顔を見せること」が親孝行だと信じて疑いませんでした。
しかし、実際は少し違ったようです。
彼女の話を聞いて、改めて「親孝行とは何か」考えさせられました。

「お母さん、帰省のあといつも寝込んでいるよ」妹の言葉にハッとした

ある日、実家で両親と暮らす妹から、思ってもみなかったことを告げられることに。

「お姉ちゃんたちが帰ったあと、お母さんもお父さんも、2人そろって寝込んじゃったんだよ。本当は毎回ぐったりみたい。でも、お姉ちゃんに心配かけたくないから、自分たちからは絶対に言えないみたいで……」

A子は愕然としました。

孫たちは確かに可愛い。

けれど、育ち盛りの3人の子供の世話と、大人数の食事の準備。それは高齢の両親にとって、もはや「喜び」の範疇を超えた「過酷な労働」になっていたのです。

「お母さん、あんなに笑顔で迎えてくれたのに……」
無理をさせていたのは両親だけではありません。日々、両親を支えている妹にも、多大な負担を強いていた事実に、A子さんは激しい罪悪感に襲われました。

自分の満足や「親孝行している」という自負のために、一番大切な家族の悲鳴を聞き逃していた。

母は疲れていても「帰ってきてくれて嬉しい」と笑顔を見せてくれましたが、本当はつらかったのかもしれない。

そう思うと、A子は胸が締め付けられる思いでした。

帰省の形を変えて、本当の親孝行を

妹の言葉をきっかけに、A子は帰省の仕方を見直すことにしました。

これまでの「孫を見せる」中心の帰省から、「家族全員が無理なく笑顔でいられる」訪問に切り替えたのです。

例えば、宿泊は短くしたり、食事は外食にしたり、家事は積極的に手伝ったり。

ときには、両親だけで旅行を楽しんでもらう時間も作りました。

「親孝行は、相手が本当に望んでいる形で行うもの」

これからは両親や支えてくれる家族の気持ちに寄り添って、無理のない範囲で喜んでもらえることをしたいと考えています。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。