注文が多すぎるお客さん
Cさんが働くカフェは、オーダー制のシンプルなスタイル。店内は落ち着いた雰囲気で、常連客も多いお店でした。ある日、昼時に一人の女性客が入店。特に混雑する時間帯ではなかったため、Cさんは「ゆっくりできるかな」と思っていました。
しかし、そのお客さんは最初の注文からクセが強かったのです。
「カフェラテを、ミルク少なめで泡だけ多めにして。あと、砂糖は1/2杯。コーヒーの温度は60度くらいでお願いします」
Cさんは一瞬「え?」と思いましたが、できる範囲で対応することにしました。しかし、それで終わりではありませんでした。
要求がエスカレート!
カフェラテを提供すると、女性客はひと口飲んで眉をひそめました。
「これ、温度違うんじゃない? もっとぬるくしてほしい。あと、泡が思ったより少ないからやり直して」
さすがにCさんは戸惑いましたが、店の方針としてできる限りの要望には応じることになっていました。渋々作り直し、再び提供。すると今度は、「ミルクの割合が違う気がする」と言い出し、また作り直しを要求してきたのです。
さらには、「店内が少し寒いからエアコンの温度を上げてほしい」「隣の席の人が話している声が気になるから席を移動させて」など、次々と無茶ぶりを連発。周りのお客さんもチラチラとこちらの様子を伺い、困惑していました。
店長の冷静な対応がスカッと!
Cさんは対応に困り果て、ついに店長を呼ぶことにしました。店長は女性客に落ち着いた口調でこう言いました。
「当店ではできる範囲でお客様のご要望にお応えしていますが、度を超えたご注文には対応できません。他のお客様にもご迷惑がかかりますので、これ以上のご要望はお控えいただけますか?」
すると、女性客は「私、ただ普通に注文してるだけなのに!」と反論。しかし、周りのお客さんたちが次々に「さすがに無理言いすぎ」「店員さんかわいそう」と小声でささやき始めると、女性客は気まずそうに席を立ち、「もう来ない!」と捨て台詞を残して店を後にしました。
その後の店内の空気
女性客が去った後、店内は一気に和やかな雰囲気に。常連客の一人がCさんに「大変だったね」と声をかけてくれ、他のお客さんたちも温かい言葉をかけてくれました。Cさんも「こんな無茶な要求には冷静に対処するのが一番だな」と実感したそうです。
最近はメニューのカスタムなどができたり、お客さんにとって自由度の高い店があることも事実ですが、サービスの良さに付け込んでお店や他のお客さんの迷惑になるような要求をするのはいけませんね。
そんな理不尽なお客さんはどこにでもいるものですが、店のルールを守りながら、毅然とした態度で対応することが大切だと学んだ出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。