相手によってはそのアピールが辛いことを思い出させる原因になることもあるため、発言には注意が必要です。
今回は筆者の知人から聞いた、家族エピソードをどうぞ。
家族仲の良さが自慢
息子の結婚当初、私はつい無意識に嫁のA子家族と自分の家族を比べてしまっていました。
特に家族みんな仲良しであることが昔から自慢だった私。
「親子で毎年旅行に必ず行っていたわ」
「隠しごとなんてしないしお互い信頼しあっているの」
そうことあるごとに、家族の絆が強いことをA子に誇らしげに語っていました。
自分の家族が仲が良くて幸せだと感じていたので『A子とも仲良くなりたいわ』との想いから、つい話してしまっていたのです。
嫁の本音
しかし、ある日、A子がとても申し訳なさそうに私にこう打ち明けてきました。
「私、母子家庭で育っていまして……」
A子の家庭については、結婚のあいさつのときからもちろん知っています。私が頷くと、A子はさらに悲しげな表情を浮かべて言葉を続けました。
「ずっと私と実母は折り合いが悪いのです」
「皆さんの仲が良いのは羨ましいのですが、どうしても今は自慢話のように聞こえて、辛く感じてしまって、すみません」
そう伝えられ、ようやく自分の言動がどれほど無神経だったかに気づきました。
反省
それまで家族仲良しエピソードを語るたびに、A子はニコニコ笑みを浮かべて聞いてくれていました。
それを『いつも羨ましそうに話を聞いてくれるから大丈夫よね』と自己解釈していた私。
A子と母との関係を知っているにも関わらず、家族の話ばかりしてしまったことを深く反省しました。
A子にとって、家族の話は辛い思い出を呼び起こさせるもの。
これまでの家族仲良しエピソードはどれもA子にとっては、自慢や比較のように聞こえてしまっていたことに、私は気づくことができていなかったのです。
相手を思いやる気持ち
その後、私は自分の家族の話をする際に、A子の立場や気持ちを考慮するよう心掛けるように。
彼女の過去や現在の状況も尊重することが大切だと感じています。
【体験者:50代・女性パート主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。