近年、推し活をする人口はどんどん増加していると聞きます。生きがいを見つけるのはとても大切なこと。ただ、それが原因で身近な人に迷惑をかけたり、信頼を失ってしまったりしては元も子もありません。今回は筆者の知人が、娘の行き過ぎた推し活を制限させたエピソードをご紹介します。

シングルマザーの娘

私の娘は一度結婚をしたものの離婚し、実家である我が家に一人息子と一緒に帰ってきました。

離婚して帰ってきてすぐのころは「私の子どもだから私が責任もって子育てしていく!」「出戻った身で甘えられないから家事もきちんとさせて?」と、こちらが手助けしたくなるほど一生懸命に日々を送っていました。

ただ、ある頃から娘が変わってしまったのです。

推し活

娘は推し活を始めました。
当初は「仕事に家事・育児を頑張っている娘に楽しみができたようでよかった」と思っていたのですが、徐々にそうも言っていられない状況に……。

娘は私に子どもを預けて県外までライブの遠征に出かけることが増えました。
そこから次第に、家にいる間も推しのDVDを見ていたり、推し活仲間と長電話をしていたり、家のことや子どものことを放棄するようになってしまったのです。

家庭崩壊?

娘の生活態度を見かねた私は何度か娘に注意をしたのですが、注意された直後の2~3日、気を付けるだけで、その後はまた元の推し活に夢中な生活に戻ってしまいます。
娘本人も私に言われるからやっているだけで、本心から改善しようと思っているようには見えませんでした。

そんな日々が続くうちに、母親と過ごす時間が減った孫も寂しそうな表情を見せることが増えてきました。
「さすがになんとかしないと」と思い悩んでいたのですが、あることがきっかけで、あっさり問題が解決することになるのです。

改心させた方法

いつものように家事を放棄してDVDに夢中になっている娘に、私は何気なく「このままでは我が家は崩壊します。あなたの推しの事務所に『あなたが活動すればするだけ娘がダメ人間になります』って連絡をいれようかしら」と話しかけました。

すると娘は「それだけはやめて! 推しに迷惑がかかる!」とすぐにDVDを止めたのです。
そしてその日から推し活を始める以前のように、家事や育児もきちんとするようになりました。

改心した理由はどうかと思う部分もあるのですが、娘が変わってくれて一安心です。

【体験者:50代・女性パート、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。