筆者の息子は、小学校3年生頃からイジメが原因で不登校になってしまいました。中学校は加害者たちと顔を合わせないように別の学区の中学へ進学し、何とか学校生活を送れるようになってくれていました。

保育園の保護者

息子が通う中学校には、息子の保育園時代の同級生が数名いて、保護者の人とも顔見知り。
そのうちの一人・Wさんは保育園時代にさまざまなトラブルを起こした人でした。

小学校は別だったため、卒園から6年以上まったく付き合いはなかったのですが、2学期の授業参観でいきなり私に話しかけてきたのです。

ちょっと話が……

「久しぶり! 覚えてる?」と言われたので「保育園で一緒だったWさんだよね?」と言うと、Wさんはニヤニヤ笑いながら「ねぇねぇ、息子くんイジメられて不登校になってたってホント?」と言い出しました。

事実ではありますが、聞き方も不躾だし、周りに響き渡るような大きな声で言われたので、私は少しムッとしてしまったのです。
するとWさんは急に声をひそめて「ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんだけど良い?」と言って、私を廊下の隅に連れて行きました。

質問攻め

Wさんは「実はうちの娘が今、部活でイジメられてるみたいなの。学校に話したんだけど、特に何もしてくれないし、ここ1ヶ月くらい学校休んでて。」と言いました。
私が「そうなんだ。」と言うと「不登校のときってどうしてた? 仕事は? フリースクールも行ってたんでしょ? どこの? どうやれば行けるの? 何で中学校には来れたの?」と矢継ぎ早に質問をしてきたのです。

Wさんとは大して仲が良かったわけでもないのに、根掘り葉掘り聞こうとする態度に腹が立った私は「子どもの性格とか状況にもよるから、一概には言えないと思うよ。」と明言を避けました。

捨て台詞

するとWさんは怒ったように「あ、そう! わかった! 自分の息子が不登校解消したらそれでいいんでしょ!」と吐き捨てるように言って、その場からいなくなってしまったのです。

息子に聞いたところ、確かにWさんの娘は不登校気味だと言っていましたが、学校の先生にも理由がわからずにいるとのこと。
私はWさんのあまりの態度にドン引き。
もっと違ったアプローチをしてくれれば相談に乗ったのになぁと思いました。
ちなみに、あれからWさんには顔を合わせても思いきり無視されています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。