筆者の友人・K子の両親は、2人とも有名な大手企業に勤務していました。そのため、娘のK子に対しても「名前の通った企業に就職しろ」とプレッシャーを与え続けていたのですが……。
病室へ入ると、そこには痩せた父と年老いた母の姿が。
父は「お前にはさんざん自分たちの価値観を押し付けてしまったな。今はキャリアアップするために転職する人なんてごまんといるし、最初に勤めた会社が未来永劫残るわけでもないんだよな。」と言ってくれたのです。
修復
私の夫は小さいながら会社を経営していて、そのことを父に伝えると「娘と結婚してくれてありがとう。この子たちを幸せにしてやってくれ。」と笑顔で夫と握手をしてくれました。
厳しかった母もすっかり丸くなり、今では孫たちを目に入れても痛くないほど可愛がってくれています。
父は再会してすぐに他界してしまったのですが、最期に仲直りができて良かった……お葬式で父の遺影を見ながら、涙が止まりませんでした。
【体験者:40代女性・自営業、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。