反抗期を迎えた子どもが、家族と一緒に出かけるのを嫌がるという話を耳にすることがあります。
筆者の知人の息子さんもそうでした。
ですが、大人になった息子さんの口から思いがけない言葉が出たのです。

ついにやってきた反抗期

息子が物心ついた頃から、我が家は毎週末のように家族そろってお出かけをしていました。

少し車を走らせて遠くの遊園地やショッピングセンターに出かけたり、あるいは歩いて近所の公園に出かけたり。

どこに連れて行ってもとても楽しそうにしていた息子。

息子の楽しそうな笑顔を見るのが私にとって、最高に幸せな時間でした。

ですが楽しい時間は長くは続かず、息子が小学校の高学年になった頃から、家族と一緒に出かけるのを嫌がるようになったのです。

「いよいよ反抗期に入ったんだな」と寂しさを感じました。

不機嫌な息子

息子が小学校6年生の時のことです。
夏休み恒例の家族旅行を計画しました。

息子は行くのを渋りましたが、中学生になればさらに一緒に出かけることを拒むかもしれません。

私は、半ば強引に息子を連れ出しました。

3泊4日で伊豆半島に行きましたが、息子は終始不機嫌。

水族館では魚を見ることなくそっぽを向いたまま。

金鉱の跡地にある砂金採掘体験に行っても
「オレ、したくないから母さん1人ですれば」と
言ってしたがらないし、ホテルで食事をしてる時もずっと無言。

後からこの旅行の写真を見てみると、息子は全部しかめっ面をして写っていました。

息子が中学生になると、週末や夏休みはほとんど部活動や塾に費やされてしまうようになりました。

夏休みの家族旅行は小学校6年生の時に行った伊豆半島が最後になってしまったのです。

息子の口から出た思いがけない言葉

それから時は過ぎ、息子は今はもう社会人です。

大人になった息子は反抗期の時の不愛想がウソのように、今は私とよく話をするようになりました。

先日、お茶を飲みながら息子と話していると息子が
「子どもの頃に家族で出かけたのが楽しかったな」
「特に小学校6年生の時の旅行は楽しかった。また家族で行きたいな」
と口にしたのです。

当時は反抗期真っただ中で、旅行中はまったく楽しそうな素振りを見せなかった息子。

だけど、大人になって振り返った時には、楽しい思い出として心の中に残っていたと知り、私はとても驚きました。

ギクシャクとして気まずい4日間で、内心「やっぱり旅行なんてしないほうが良かったかな」と少し思ったこともありました。

ですが、今は息子の言葉を聞いて、家族の思い出作りのために出かけて良かったと心から思っています。

【体験者:50代・パート、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。