ママ友グループの憂鬱
仲の良いママ友グループの中に、理恵さん(仮名)という少し厄介なママがいます。彼女はとにかく陰口が多いのです。
陰口の対象はその時々で変わるものの、聞いているだけで気が滅入ります。
他のママたちも理恵さんの陰口にはうんざりしているようでしたが、誰もはっきりと指摘することはできません。
私も余計な波風を立てたくないと思い、黙って聞き流すしかできませんでした。
今度のターゲットは新しいママ友
ある日、いつものように公園でおしゃべりしていた時のこと。
理恵さんは、最近引っ越してきた佐藤さん(仮名)というママについて、「あんな派手な服よく着られるわよね~センス悪すぎ!」と陰口を言い始めました。
佐藤さんは、確かに少し個性的なファッションでしたが、私は特に何も感じていませんでした。
むしろ、おしゃれを楽しんでいる彼女を、少し羨ましいと思っていたくらいです。
しかし理恵さんに反論する勇気もなく、曖昧な相槌を打つことしかできませんでした。
聞こえていた悪口
ちょうどその時、佐藤さんが子どもを連れて公園にやって来ました。
理恵さんは気づいていないのか、「ブランド物を持ってお金持ちアピールして、嫌な感じだしさ~」と佐藤さんの悪口を続けています。
私が、「理恵さん、ちょっと……」と注意しようとしたその時です。
佐藤さんが理恵さんに颯爽と近づき、「すみません、今のお話、聞こえてました!」と笑顔で言いました。
理恵さんは、真っ青になり絶句。
周りのママ友たちも、固唾を飲んで見守っています。
見事な切り返しでスカッと!
佐藤さんは「お金持ちアピールに見えます? でも実はフリマサイトで買った激安コーデなんですよ! 今度、良いサイト教えますね♪」と気さくな感じで続けました。
理恵さんは何も言い返せず、ただただ苦笑いするだけです。
私は佐藤さんのユーモアあふれる切り返しに、心の中で拍手したい気分でした。
それ以来、佐藤さんは飾らない人柄で人気を集めています。もちろん、佐藤さんは他の人の陰口を言ったりはしません。
陰口にうんざりしていた人も多かったのか、理恵さんは周囲から距離を置かれています。
私も、今後は明るく前向きな人間関係を築いていきたいと反省しています。佐藤さんのおかげで、陰口に同調しない勇気を学びました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。