筆者の話です。子どもの頃、友達がペットを飼っているのがうらやましくて、何度も母にお願いしました。でも母の答えはいつも「ダメ」 で──

ペットを飼いたかった子ども時代

「なんで?」と聞いても 「ダメなものはダメ」としか言わない母。
親の言うことは絶対の家庭だったので、それ以上深く考えたことはありませんでした。
「動物が苦手なのかな」と思うことにし「うちはダメなんだ」とあきらめていました。

何気ない一言

それから20年近くが経ち、そんなことも忘れていたある日。
母の友人が犬を連れて遊びに来ました。

元気に走り回る子犬。
みんなで「かわいいね」と話しているうちに、ふと母に尋ねてみました。
「うちは動物を飼ったことがないね」
何気なく言った一言でした。

すると母は、静かに笑って
「あなたたちを育てるだけで精一杯だったのよ。動物の命まで預かる責任は負えなかったの」
と言ったのです。
その言葉に、私はハッとしました。