それでも、「愛しい我が子の希望は極力叶えてあげたい!」というのが本音でもあり、これが子育ての難しいところでもあります。
今回は筆者の友人A子さんのお話をご紹介します。
わがまますぎる。欲しい物を諦めない息子にウンザリ
小学生の一人息子がいるA子さんのお話です。
A子さんの悩みは、息子が少々わがままであるということでした。
わりと甘やかして育ててしまったからか、欲しいと思ったものは買ってもらえるまでダダをこねる息子に、本当に手を焼いていました。
酷い時には癇癪を起こすので、渋々買い与えてしまうこともあったのです。
それでもこのままではいけないと、少しずつ厳しくするようにしていました。
それでも怒り狂う我が子に、ため息が出てしまう日々でした。
しつこい息子に困っていると、夫が……
ある日、息子は新しいゲーム機が欲しいと言い出しました。
「友達の中で持ってないの俺だけなんだけど!」
どれだけA子が断ってもしつこくせがみ、息子との攻防戦は続きます。
数万円もするゲーム機を、誕生日でもないのに購入するわけにはいきません。
何度も宥めましたが、息子は、
「お母さんケチすぎる!!」
まさかの逆切れで、A子さんに怒りをぶつけてきたのです。
すると、その言葉に反応した夫がこう言いました。
まさかの自宅アルバイト制度!? 息子はやる気満々!
「そんなに欲しいなら、お前が働いて買えばいい」
「時給が1000円だとする。皿洗いはせいぜい10分程度だから、とりあえず10分160円な。他の家事もそれでやってみ?」
夫の突然の提案にA子さんも驚きましたが、息子は素直にその言葉を受け止めていました。
そうして息子は意気揚々とお手伝いを始めて、お金を貯め出したのですが……。
働くことの大変さ、お金の大切さ。身を持って知った息子
10分160円の稼ぎで、数万円を貯めるなんてなんてはるか先のこと。
それに対して不満を垂れ始めると、
「お金を稼ぐのって、思ってたより大変だろ?」
「欲しいものが全部手に入るのは、努力した人だけだ。お金の大切さ、ありがたみを知りなさい」
と、夫がピシャリ。
結局ゲーム機は、誕生日まで我慢することになりました。
それ以来、息子は今までのようにダダをこねることがかなり減りました。
どうしても欲しい時は自分から手伝いをし、お小遣いを稼いでいます。
直接言ってはきませんが、お金のありがたみに少しは気付いたのかもしれません。
夫の機転の利く発言に感謝し、これからも成長を見守りたいと思います。
まとめ
実際に体験させて学ばせる、旦那様お見事です!
育児に正解はありませんが、親子で時にはぶつかり合って、お互い成長していけるといいですね。
【体験者:30代・パート主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。