A子の母は、娘がいじめられないように持ち物や弁当に気を配る細やかな人でした。しかし、家の中ではまるで別人。毒舌を振るう母の姿にA子は次第に違和感を覚えはじめ、ある決断をします。筆者の知人A子が話してくれました。
母の愛と細やかな気配り
A子は三姉妹の末っ子です。
母は家計に余裕がない中でも、娘たちに流行のアイテムをそろえ、彩り豊かな手作り弁当を持たせてくれました。
家庭を持ち、子育てを始めたA子は、母がどれほど大変な思いをしていたのかを実感します。
そしてある日、母に尋ねました。
「どうして私たちのために、そんなに頑張ってくれたの?」
母は少し考えたあと、「からかわれたり、いじめられたりしないように」と答えました。
持ち物もお弁当も、周囲に溶け込めるよう工夫していたと知り、A子は母の細やかな気遣いに改めて感謝しました。
外では愛想よく、家では毒舌——なぜ?
しかし、そんな母には別の顔がありました。
外では評判がよく、誰にでも愛想よく振る舞う母ですが、家では「あそこの子は汚い」「あの人は貧乏くさい」など毒舌が止まりません。
幼い頃は気にしなかったA子も、大人になるにつれ、母の態度に疑問を抱くように。
母自身、周囲の評価をとても気にする人でした。
「いい母親」「気配り上手」と思われたくて完璧を装い、そのストレスが家庭で爆発していたのかもしれません。
決定的な瞬間
母との距離を意識しはじめたのは、父の葬儀のとき。
幼馴染のB子が忙しい中駆けつけてくれ、母も笑顔で再会を喜びました。
「B子ちゃん、来てくれてありがとう。昔とちっとも変わらなくてきれいね。」