特に命に関わる【子育て】は『この行動が本当に正しいのか』との不安から心身ともに疲れが溜まるものです。
今回は筆者の友人A子から聞いた、子育てにまつわるほっこりエピソードをどうぞ。
子育てで疲労困憊
これは、初めての子育てで悪戦苦闘していたときの出来事です。
当時、娘の夜泣きや授乳に追われて不眠が続き、何をしてほしいのか分からずすっかり自信を失っていた私。
毎日不安ななか、SNSなどでたくさん情報を集めては実行し、何とか頑張っているつもりでした。
でも、なかなかうまくいかないことも多く、もどかしさや怖さを感じていたのです。
それに加えて、夫が私の努力を理解してくれないことも本当に辛くショックでした。
夫「1日中家にいるのに寝てばかり」
私「娘の育児で精一杯なの! 少し仮眠をとっただけでしょう!?」
夫「でも日中眠れるなら、いいご身分だな」
夫「食器も洗ってないし部屋も散らかっていて家事もまともにできていない」
私「あなたは家事さえ何一つしないくせに……」
不満爆発
育児だけでも精一杯ななか、夫に対して不満も溜まり、ある日ついに口論に。
『私も一生懸命やっている』との訴えもむなしく、夫から出た答えは
「俺なら完璧に娘を見ていられる」
と私を否定するような言葉でした。
その言葉が悲しすぎて、思わずスマホだけ持って家を出た私。
しばらく歩くこと数分、夫から『とにかく帰ってきてください』と、ただならぬ様子の電話がかかってきたのです!
母がいなくなると?
「もしかして娘に何かあったの!?」
あまりにも動転しているような夫の声色に不安が募った私。急いで帰ると、玄関の前で娘の大きな泣き声が聞こえてきたのです。
慌ててリビングに入ると、泣きじゃくりながらハイハイで私の元へ向かってきた娘。
「A子がいなくなった途端に泣き始めた」
「何をしても泣き止んでくれない」
との夫の言葉を聞いて、胸が締めつけられる思いがしました。
そして、夫は『いつも頑張っているのに分かってあげられなくてごめん』とようやく謝罪してくれたのです。
母としての自信
私が抱っこした瞬間、泣き止み嬉しそうに笑う娘。その笑顔を見て、私は自分の努力を認めてもらえた気がして、つい涙がこぼれてしまいました。
夫に育児の大変さを理解してもらえたこと。何より、私は娘にとって大切な存在なのだと実感できたこと。
それが本当に嬉しくて、母としての自信を少し取り戻すことができた瞬間でした。
今では夫も慣れない手つきで育児に協力したり、洗濯や食器洗いといった家事を担ったりしてくれています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。